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前触れなく長野にやってきた男

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先日、昼前に電話が鳴った。

 

電話の相手は、大学サッカー部の親友・ モチ。

何年振りかわからないほど、会ってもいないし、連絡もしていない相手だ。

何かあったかな?と思って、電話に出た。

 

『 ニシ、今、南長野警察署の近くにおるんやけどさ〜』

なんで ???

モチは愛知県出身で、現在も名古屋在住。

何の予告も無く、いきなり電話をかけてきた。

 

『 南長野警察署で何してんだ? 』

『 違うよ、今、たまたま南長野警察署の近くにいるんだよ。 ニシ、時間ある? 』

午後、仕事の予定があるのでランチくらいならと、モチに伝えた。

そして、待ち合わせ場所に行くと、いるではないか、モチが。

 

『 なんだよ、前触れも無く、いきなりでよ〜 』

と自分は言った。

『 いやー、あんたと一緒だよ 』

お互い相手をヤジりながら、笑いながらの再会だった。

 

 

自分と一緒だと言われたのには、理由がある。

以前、自分が日帰り仕事で長野から名古屋へ行った時の事。

名古屋駅から電車で長野市へ帰ろうとしてホームで電車を待っていた。

その時、モチが自分の帰る電車の途中駅、岐阜にいる事を思い出した。

すぐにモチに電話してみた。

平日の昼間、仕事中なのは百も承知だった。

しかし、こんなめったにモチに会える機会などないと思い、強引にも自分は途中下車するから、駅まで来てくれと頼んだ。

モチは、渋っていたが、駅近くのカフェまで来てくれた。

ほんの1時間ほどだったが、会えた。

その後、自分はまた、電車に乗って長野へ帰った。

思えば、あの時も突然だった。

その自分の突然に、モチは付き合ってくれた。

 

 

モチとは、大学サッカー部で4年間を共に過ごした。

グラウンド一緒に汗をかき、必死に走った。

サッカー部の寮で共に生活し、一緒にバイトもした。

大学サッカー部監督(助教授)からの指名で、Jリーグテレビ中継の記録担当としてスタジアムへもよく2人で行った。

中継後はバイト代を頂き、そのお金で名古屋へ夜な夜な飲みに行き、朝まで遊んだ。

 

 

もちろん、今いるお互いの環境は、学生時代とは全く違う。

しかし、モチは、良い意味で全然変わらない。

事前連絡が無い事を、冗談混じりで野次ったが、電話をしてきてくれたモチに感謝だ。

『 モチ、今日、長野に泊まって行けよ。夜なら時間あるから久々に飲もうぜ 』

自分は、午後、仕事で時間が無かったので、モチに長野市に残ってもらい、一杯やりたかった。

『 ニシ、無理。俺、明日仕事! 』

 

 

長野市で彼と過ごした時間は、約1時間。

次回は、呑もう!  とお互いに誓って別れた。

旧友との再会は、いつでも良いもんだ。

モチ、突然の連絡ありがとう。

次回は浴びるくらい、呑もう!

 

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