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サッカーコーチ、指導とは何かを考える必要性がある

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今、男の子の将来の夢は「サッカー選手」が一番多いという統計結果を見た。
サッカー好きな子が多いということだが、その指導は奥深い。
だからこそ、サッカーコーチを職業としてをやるならば、俺は責任重大だと思っている。

『 何故、ドイツへ行ったんですか? 』
頻繁に聞かれる質問だ。
その答えは、プロのサッカーコーチになりたいから、そのために学びたいからドイツへ行ったのではない。
ただ、指導についての学びが欲しくてドイツへ行った。
「 指導 」というものを深く知りたかった。
何故かと言えば、選手と指導者は、全く違うから。

俺がサッカー指導者になって1年目に、自分の選手達に指導できた事といえば、下記の二つだけだ。
1、プレーヤーとして自分が出来たプレー。
2、自分が恩師に指導してもらって事。
単純に、自分が出来る事と、教えてもらった事だけは、選手を前に教える事ができた。
まー、これは、俺に限らず全ての引退した選手達に共通した事だ。

かつて、Jリーグを引退した直後の選手が、セカンドキャリアで指導者として俺のアシスタントコーチになった時、彼も俺と同じ事を言っていた。
初めて選手を前に指導して、誰もが感じる事だ。

『 指導は、簡単ではない 』

プロ選手だったからと言って、簡単に指導が上手くできるようなことはない。
自分の思う感覚を相手に伝えても、思うように通じない事がほとんどだ。
それは、相手が生身の人間であり、相手が自分とは全く違う感性を持った人間だから。
その時のアシスタントコーチは、真剣に子供と、俺と、他の先輩指導者達とも向き合って日々指導の勉強をした。

俺は、ドイツに留学してから、まずドイツ語を学び、そして話せるようになり、沢山のトレーニングや試合を見てまわった。
トレーニングを肌で感じ、そして、可能な時は、トレーニング後には、思い切って指導者の方によく質問をした。

そんな時、たまたまJリーグでプロコーチをしていた先輩にオランダで会い、先輩から、『 現場をみろよ 』と言われた。
当時の俺は、ケルン体育大学に通いながら、ドイツ、オランダ、イングランドなどの国々をまわり、プロチームや代表チームから子供たちのトレーニングや試合まで、とにかくサッカーを見続けていたが、実際に指導現場にはいなかった。
先輩のアドバイスもあり、俺は、ドイツで指導現場を探し、実際にドイツ人の子供たちに指導し始めた。
指導をすれば、やはり、見ていたこと、聞いたこと、感じたことを、上手く子供たちに指導できない事を肌で感じる。
言葉の問題よりも、指導者としての能力と経験値だ。

俺は、昔、ブンデスリーガ1部クラブ(1860ミュンヘン)の育成部門でコーチをしていた。
そこには、多くの有能な指導者達が一緒に仕事をしていた。
だから、彼らからも直接沢山学んだ。
そんな中、当時の上司にドイツサッカー協会公認指導者ライセンス講習に行くように言われた。
俺と同じように指導の勉強に来た仲間達と共に、1週間缶詰で講習を受け、試験を受けてライセンスを取得した。
その後、また、クラブに戻り、チームで子供たちに指導をした。
チーム活動での指導があることで、日々、指導を経験し学んだ。

俺は、ドイツ時代にドイツサッカー協会(ヨーロッパサッカー連盟公認)の指導者ライセンスを3つ取得した。
上のカテゴリーの時は、3週間ほど缶詰の講習だった。
帰国後は、日本サッカー協会公認指導者ライセンス講習も受講した。
サッカーを教えるために、自分でも常に学びの時間を持つべきである。

どんな世界でも、人を指導するということは本当に難しい。
先日、元Jリーガーが俺のとこにやってきて指導を学んでいった。
指導者になったばかりの彼をみて、そして彼の指導での悩みを聞き、自分が指導者になり立ての頃を思い出した。

俺は、今も尚、常に指導について学んでいる。
トレーニングが終われば、必ずスタッフと反省会をする。
それを継続する事が、サッカーコーチ、指導者として大切だと思っている。

子供たちは、俺達から巣立っていくが、立派になった彼らとまた会える。
人として真剣に向き合うからこそ、奥深いし面白い。
プロとして、職業としてのサッカー指導は簡単ではない。
俺は、そう思っている。

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