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ロアッソ熊本の存在意義

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先週、スカパーで解説を担当したゲームは、松本山雅FC対ロアッソ熊本。

 

熊本は、今年4月、大きな地震で被災した。
被害はかなり大きく、サッカー云々よりも、生活することすらままならない状態になった。
その為、一時、Jリーグ戦参加を見合わせなければいけない状況だった。

トレーニングを再開しても、その間、試合をやる機会は一度もなかった。
そんな状況でも、どうにかこうにか公式戦、リーグ戦に復帰することが出来た。
トレーニングで選手のコンディションは上がってきているように感じていた。
しかし、実際に試合をしてみると、選手のゲーム体力は戻っていなかった。
しかしながら、ロアッソ熊本は、地震被害で休まざるを得なかった試合を、Jリーグを戦わなければならなかった。

 

今季、ロアッソ熊本は、リーグ戦の序盤を素晴らしい滑り出しでスタートしていた。
しかし、震災のダメージで一気に状況が変わった。
一時トレーニングを、リーグ戦を休んだツケが、夏過ぎに出た。
2ヶ月強の間に17試合を戦わなければならないスケジュール。

Jリーグでは、たまに、週末、平日に試合を行う連戦がある。
連戦は、選手たちの身体が疲労困憊する。

今季のロアッソ熊本は、彼らだけが毎週、疲労困憊する連戦を続けなければならない状況となった。
殺人的な日程だ。

 

ロアッソ熊本のホームゲーム平均観客動員数は、昨年度に比べて低下している。
それは、明らかに震災が影響している。
観客動員数が下がれば、クラブは減収となる。
そして、J1の幾つかのビッククラブのように親会社を持っているクラブであれば全く問題ないのだが、親会社を持たない地方の中小クラブにとって、減収はとても大きなダメージとなる。

 

震災後、毎日のように熊本地震のニュースを見た。
しかし、時間の経過とともに、テレビで熊本の被災を見ることは少なくなってきている。

ロアッソ熊本は、プロサッカークラブとして、ピッチで選手が必死に走り戦う姿を、熊本の方々に見てもらい感動を与えようと頑張っている。
被災直後から今まで、夏場の殺人的なスケジュールから見ても、彼らは降格してもおかしくない一年を過ごしてきた。
しかし、その中でも、勝ち点43を奪い、J2リーグ残留をかけて戦っている。

このようなクラブが生き残ることが、サッカー界にとって、そして、地域にとって大事なことだと思う。
クラブの、スタッフの、選手達の必死な頑張りが地域にも伝わっているだろう。
この頑張りは、今後の熊本に大きな力となって行くに違いない。

 

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