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Jリーグ巨額放映権の行方を考える

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私の周辺でも、今季、DAZNを新規契約した人は、かなり多い。
ものすごい反響だと思っている。
Jリーグは、今季、試合中継がスカパーからDAZNに変わった。
DAZNとJリーグは、2017年より10年間、約2100億円の放映権契約を締結したと発表された。
だから一年間でも、約210億円。
さて、そのお金の行方は?

この契約により、クラブへの賞金総額が大幅に増額された。
その為、昨季終了後、各クラブが補強に走り、選手の移籍が活発だった。
大型補強、という記事をよく目にした。
そして、生まれたものとは?

相次ぐ監督の解任。
今季末で退任する監督を含めて、8人が変わった、変わるらしい。
投資という名目で多額の移籍金や年某を支払って大型補強し、成績が上がらなければ、責任は監督にあると、解任する。
優勝したチームは、投資した資金を回収するだろうが、それ以外は、人にお金を掛け、気が付けば、そのお金は有効的に使えずに終わっている。

 

 

ドイツ、バイエルン・ミュンヘンが、約80億円を掛けて、子供たちのための施設(育成センター)を建設した事を、昨日のブログに書いた。
https://www.traumakademie.com/football/2017/0919

2014年、1860ミュンヘン時代の元Bossを訪ねてオーストリアのザルツブルグへ行った。
そこで目にしたものは、強烈だった。

 

 

元Bossは、当時、『 ヨーロッパ最高級の育成センターを作った! 』 と豪語した。

 

 

当時、レッドブル・ザルツブルグは、約80億円をかけて、子供たちの為の施設である新育成センターを建設した。

 

 

 

日本は、サッカーをする場所がとにかく足りない。
都会では、練習、試合をする為に、小学生、中学生のチームが、グラウンドを確保するのに苦労している。
私が湘南ベルマーレで育成コーチをしていた当時、ジュニアユースの公式大会の日程が、一週間前くらいまで決まらないのは普通だった。
会場確保に苦労していたからだ。

今、私は、故郷の長野で活動しているが、田舎も同様だ。
都会に比べれば、土地空間はあるように見えるが、サッカーをするグラウンドが無い。
平日、夜間照明がある施設など、活動するチーム数を考えれば、皆無に等しい。
週末、練習や試合をしたくても、まずグラウンド確保が難しい。

日本全国で、サッカーグラウンドが有り余っている地域など無い、と思う。

 

2002年日韓ワールドカップを終えた後、日本サッカー協会は、日本各地でサッカー施設の整備に助成金を払った。
それにより、サッカーグラウンドが新設されたり、土のグラウンドが芝生になった場所が増えた。
地元開催のワールドカップから得た収益で、日本各地にサッカーグラウンドが増え、改修された。

 

人工芝のサッカーグラウンドを作るのに約1億円掛るとする。
48都道府県にグラウンドを一面増やしたら、約50億円。
単純に、2000億円あれば、各都道府県に、サッカーグラウンドが40面増えることになる。
全国で人工芝のサッカーグラウンドが、2000面増える計算になる。
2000面のグラウンドで、地域の幼児、小学生、中学生、高校生、シニア、パパやママさんがサッカーをすることが出来る。
そこで育った子供たちは、ゆくゆくJリーガーとなる。

2000面人工芝のグラウンドが多くなれば、サッカーファミリーのピラミッドは更に大きくなる。
ピラミッドの底辺が広がれば、ピラミッドの頂点も更に上がっていく。
ということは、更にレベルの高い選手がJリーグに集り、Jリーグが今以上に魅力のあるものになる。
そして、日本代表も強くなる。

Jリーグが手にする巨額の資金を、移籍金、年俸などのスタッフ、選手人件費に企てても、その人たちがいなくなったら、そこには何も残らない。
もし、Jリーグが、日本全国にサッカーグラウンドを作れば、それは資産となり、文化としてその地に根付き、永遠に残っていくだろう。
消えてなくなるお金の使い方をするのか?
Jリーグ百年構想にあるような、100年先まで続くものにお金を使うか?

 

日々、サッカーを通じて子供たちの育成に携わる一指導者として、切に願う。
せっかく得たありがたい放映権だから、ぜひ、有効利用して欲しいものだ。

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