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スタジアムでフットボールを見て楽しんだ、松本山雅FC vs FC岐阜

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先週末は、Jリーグ、松本山雅FC vs 岐阜FC の DAZN中継解説でした。

 

以前から、私は、この試合を楽しみにしていた。
FC岐阜の指揮をとるのは、日本代表で岡田監督を支えた大木さん。
松本は、元オリンピック日本代表で監督を努めた反町さん。
このお二人の対戦が楽しみだった。

 

大木さんは、以前、京都サンガで特徴的なサッカーをプレゼンしていた。
ワンサイドを使ってのサッカー。
ピッチの横幅を広く使わず、徹底して密集地のワンサイドを崩すサッカー。
そのサッカーは、独特だった。
その後、大木さんは、FC今治で元日本代表監督の岡田さんの下で 『岡田メソッド』 の作成メンバーに加わっていたというのを報道で見ていた。
私は、岡田さんに大変お世話になっており、その尊敬する岡田さんが必要とした方が、どんなサッカーをプレゼンするのか楽しみだった。
解説の準備で試合映像を見る度に、京都時代とは異なる部分に、非常に興味を持っていた。

 

試合前から予想していた通り、大木さん率いるFC岐阜は、自陣からショートパスを繋いでゲームを組み立てた。
自陣で危なくなりクリアーしてもおかしくないシーンでも、パスを繋いで、回避していた。
最終ラインから丁寧にボールを繋ぎ、中盤のゾーンでも繋ぐ。
とにかく繋ぐ意識が強く、松本山雅に奪われるシーンはあったものの、自分達のやりたい事、目指すことをやり続けていた。
FC岐阜は、自分達のスタイルを貫いていた。

 

 

しかし、先週末のFC岐阜は、前半、いつもに比べれば、ボールを動かせなかったように感じた。
中継データでは、FC岐阜のボール保持率が、68%から72%を記録していた。
数字上、FC岐阜が、かなりボール保持をしていた事になるのだが、後方とサイドでは、かなりボールを動かしていたにもかかわらず、相手にとって一番怖いエリアであるバイタルエリアでは、あまり繋げなかった。
それは、松本山雅の守備が良かったから。
松本山雅は、いつボールへアタックし、いつアタックしないのか。
二つの方法を上手く使い分けていた。
FC岐阜のボールホルダーにアタックする場合は、自分の後方へパスを出されないように、上手く縦へのパスコースを消していた。
パウリーニョ選手は、岐阜FCの縦パスを多くインターセプト出来ていた。
そこに、反町監督の相手チームの分析能力と、自チームへの分析結果の落とし込みがあったと思う。

 

 

前半のラスト数分、そして、後半、FC岐阜は、バイタルエリアに侵入し、再三ショートのコンビネーションで松本山雅ディフェンスを崩そうとしていた。
最も松本山雅の選手が集っているバイタルエリアへボールを入れ、それに周りの選手達が関わる。
密集地へパスを入れて、パスを入れた選手が動く。
まわりの選手も、三人目が関る。
非常に面白い崩しだった。
FC岐阜の攻撃は、針の穴に糸を通すような、わずかな隙を逃さない、そんな感覚だった。
そして、その攻撃を受け止め、対処している松本山雅の守備も、面白かった。

 

 

結果は、松本山雅が2-1の勝利。
ゴールシーンは、スタジアムが盛り上がる。
しかし、この試合は、ゴールシーンだけでなく、両チームの特徴が現れることで、非常に面白いシーンの多い試合だった。
両監督が、何を求めているのか?
前半のゲーム展開を見て、両監督が、後半、どのように仕掛けたのか?
監督の戦術が色濃く出た試合で、放送席から見ていて、とても楽しかった。

やはり、フットボールは、勝ち負けだけではない。
両監督、スタッフ、選手が、ピッチ上で表現するものが面白い。
解説者としてスタジアムへ行ったのだが、フットボールを存分に楽しませてもらった。

やはりスタジアムで見るフットボールは、最高です!

 

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