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捻挫か骨折か? 関節を痛めたらどうする? 

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ちょっと小耳に入れたい話・第2回 『 こんな時どうする? ー  ④ 関節系編 』

 

リーグ戦等の試合で、相手選手のスライディングを受けました。
痛くて立ち上がれません。

 

痛くて立ち上がれなくてもピッチの外に出ないと治療ができません。
必ずレフリーに断ります。
というかレフリーが出なさい、と言うでしょうけれど。

RICEの原則に沿って、痛い所を動かさないように注意しながら、できれば誰かの肩を借りるとか、抱えてもらうとか、担架に乗せてもらいましょう。
担架は恥ずかしがらないで乗ってくださいね。
一刻も早くピッチの外に出るためです。
それは、一刻も早くケガを回復させるためでもあるのですから。

 

出血しているケガの場合と同様に、痛い所を心臓より高い位置にしたいので、迷わず横になって治療しましょう。
スパイクとストッキングを脱いでまずは冷やしましょう。
きっとアイシングのための氷があるでしょうから、負傷した部分を直ぐに冷やすようにします。
冷やすことで内部で起こっている炎症を抑えますし、痛みもやわらぎます。

立ち上がれないほどの痛みは、そんなにすぐには治まらないものです。
状況から足首の足関節の捻挫や骨折を疑います。
踏ん張って堪えたために膝関節もダメージを受けているかも知れません。
足首の痛みであれば、氷バケツに足を入れてしまうのが簡単ですが、近くに水道があれば流水をかけ続けるのも良い方法です。
冷やしながら痛みと腫れを観察します。
痛みも治まっていき、腫れもないならピッチに戻っても大丈夫そうです。
ですが、どんどん痛みが強くなるとか、腫れが増してくるようであれば、負傷部位をできるだけ動かさないようにバンデージなどで固定して整形外科を受診しましょう。

 

<保護者の方へ>

*整形外科より整骨院と言う方もおられますが、私は第一選択肢としては整形外科をお勧めして来ました。
レントゲン撮影ができるからです。MRIなどの装置を持っている所もあります。
捻挫や骨折に限らず、肉離れや筋断裂などを疑う時も同様です。
負傷部位がどのくらいダメージを受けているかが判ってから、最適な処置を受けないとせっかくの治療が無駄になることもあります。

大切なことは、「痛みがある」と言うことは「体の中で何かが起こっている」と言うことです。
何かが起こっている時にプレーを続けて良いことはありません。
ケガをした選手は治療して痛みの無い状態に戻すことが最優先課題です。

気持ちの問題として痛みに耐えて頑張る選手を育てたい、という願いもあるかも知れませんが、成長期の選手が痛みをこらえてプレーして得られるものは何もありません。
また痛みに堪えながらピッチに立っても、良いパフォーマンスなんてできる訳がありません。
サッサと選手交代した方がチームのためにもなります。

ケガも経験を重ねていくと、あ、この程度なら少し時間が経てば痛みが和らいでいくな、と本人が判るようになります。
ジュニアユースのカテゴリーにいれば、もう判っているかも知れませんね。
甘ったれて「痛い、痛い!」を言うなんて、上を目指す選手ならありませんから。

 

 

ドイツサッカースクール・メディカルスタッフ
森林セルフケアステーション Zitterhouse
原田 純子

389-1303長野県上水内郡信濃町野尻3884-410
026-255-3817.
zutterhouse@outlook.jp

【経歴】
元浦和レッズ・ハートフルクラブ メディカルスタッフ
元三菱重工サッカー部 マネージャー
元公益財団法人 三菱養和会 メディカルスタッフ
元青山学院初等部 養護教諭

【資格】
保健師
看護師
養護教諭
高等学校教員(保健)
森林セルフケアコーディネーター(NPO法人日本森林療法協会)
森林セラピスト(NPO法人森林セラピーソサエティ)
森林ソムリエ(フィトセラピー協会)
メディカルハーブコーディネーター(日本メディカルハーブ協会)

 

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